土地活用策として福祉施設のメリットとデメリットについておさらい
土地活用の選択肢として福祉施設を建築する方法があります。
高齢化社会の日本、介護施設をはじめとする福祉施設は必須の施設です。
使っていない土地や余っている土地を有効活用して福祉施設が増えるのならば、こんなにいいことはありません。
今回は土地の有効活用策として福祉施設を建築することのメリットやデメリット、そして福祉施設に向いている土地について考えていきます。
福祉施設の4つのメリット
福祉施設はお店や事務所のように立地条件で収益が大きく変わるものではありません。
また、アパートやマンションのように駅までの距離で需要が左右されない業種です。
公益性のある施設ということで他の建物よりも立地条件が厳しくありません。
福祉施設を建築するメリットを4つまとめました。
福祉施設の需要が高い
日本が高齢化社会であることは周知の事実です。
場所によっては高齢者ばかりの地区もあります。
また、障がい者施設や子ども関連の施設も必要です。
こうした地区では福祉施設は必要不可欠な存在で、入所すら出来ず「キャンセル待ち」といった状態の場合もしばしばあります。
幼稚園や保育園に入学できない待機児童の問題と同様に、福祉施設に入所できない「待機高齢者」「待機障がい者」の問題もあります。
このように、福祉施設に対する需要は高いのです。
条件の悪い土地でもできる
アパートや賃貸マンションは駅までの距離、コンビニが近いか、などの条件があります。
店舗になるともっと厳しくなり、人通りや視認性が重要です。
これらに対して福祉施設は、少々駅から遠くてもさほど問題になりません。
地方では田畑の真ん中に建っていることもあります。
条件が少々悪くても福祉施設は建築できるのです。
広い土地を活用できる
どんな建物でも最適な大きながあります。
狭すぎる土地に高いビルを建ててもペンシルビルにしかなりません。
反対に大きすぎる敷地に小さなアパートを建築しても収益はあがりません。
そこへいくと福祉施設は少々敷地が大きくても建物面積を大きくする、ゆったりとした設計にする、といった方法が取れます。
広い土地であっても福祉施設であえば充分な活用ができるのです。
収益が安定している
福祉施設は人が利用することが前提である以上、ある程度の期間存続することが求められます。
短期間で廃業されては困るため、運営業者側もそのことは理解しています。
このためなるべく長い期間運営しようとします。
これはオーナー側からすると、収益が安定して長い期間続くということで、一度稼働を始めた福祉施設からは安定した収益が得られます。
福祉施設の5つのデメリット
福祉施設だからといってメリットばかりではありません。
福祉施設といえども収益をあげる資産である以上、賃料下落や退去のリスクは常にあります。
福祉施設を建築することのデメリットや注意点をみていきましょう。
自治体ごとの総量規制がある
福祉施設の建設には自治体によって棟数や部屋数が制限されている場合があります。
福祉施設には少なくない補助金が交付されますが、ある程度福祉施設の総数をコントロールしないと、待っているのは財政の破綻です。
自治体の福祉計画などで決まっているため、管轄する部署に確認も必要となります。
収益性が低い場合がある
福祉施設という性質上、収益性が高いとはいえません。
むしろ先ほどの自治体からの補助金や介護報酬などがないと立ち行かない施設がほとんどです。
福祉施設は公益性のある事業のため、福祉が必要な人に安価にサービスを提供するため、収益性は少々抑え気味な傾向があります。
賃料の下落リスクがある
収益物件である以上、賃料の下落リスクは常にあります。
契約によって賃料の据え置きをすることもできますが、ある程度の期間ごとに見直しが必要です。
先ほどもご紹介したように収益性の高い事業とは限らないため、借主側からの値下げ交渉もあると思ったほうがよいでしょう。
退去時の影響大
一旦借主が退去すると次の事業者を見つけるのは難しい作業です。
そもそも福祉施設には多くの種類があり、対象とする入所者も異なります。
また、滞在型と日帰り型の施設ではその設備内容も違います。
施設も他の用途に転用することは困難なため、退去ということは福祉施設のオーナーにとって一大事なのです。
福祉施設に向いている土地とは
福祉施設は多くの人が利用する場所です。
駅に近く、交通の便がよく、広い土地が理想的ですが、そうした土地は先に店舗や賃貸マンションが建ってしまいます。
収益性ではこうした用途に及ばない福祉施設は、場所のよいところに建てられるとは限りません。
ここでは、福祉施設に向いている土地はどんなところなのか、考えていきます。
規模は150〜500坪
福祉施設は大きく分けて利用者と職員がその施設にいるはずです。
小規模な施設でも全部で10人程度はいることになるでしょう。
そうなると戸建住宅規模では少々手狭で、利用者が利用する部分やバックオフィスの部分を考えると、150坪程度は敷地が必要になります。
反対に大きく過ぎると利用効率が悪くなるため、500坪ほどが限度になるでしょう。
もちろん、施設の種類によってはこれより小規模あるいは大規模でも運営は可能です。
できれば用途地域内だが
用途地域はその地域内で建築できる建物の用途が決まっています。
比較的少ない手続きで建築できるので、できれば福祉施設が建築できる用途地域内がよいでしょう。
ただし例外もあり、市街化調整区域といって建物の建築制限が厳しい場所であっても福祉施設は建築できる場合があるのです。
公益性が強い福祉施設やその自治体にとって必要な施設は市街化調整区域内でも建築できます。
一度その地域の自治体、市役所などに問い合わせて確認することをオススメします。
まとめ
余っている土地を福祉施設の敷地として活用すれば収益もあがります。
ですが、それだけではありません。
福祉施設は誰もが利用する可能性がある施設で、単にお金儲けだけではなく、社会貢献にもなります。
大きな収益は上がらないけれど、社会貢献ができればよいと考える篤志家もいます。
一度福祉施設の運営や建設についても検討されてはいかがでしょうか。
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