土地活用におけるサブリースのメリットとデメリットとは?
土地活用を1度でも考えたことのある土地所有者にとって、「サブリース」という言葉は何度でも耳にしたことがあるでしょう。
サブリース契約の物件は所有者が損をしないといったプラスの声もあれば、サブリースを持ち込む業者は怪しいから相手にするなという正反対のものもあります。
今回はこのサブリースにスポットを当てたいと思いますが、そもそも「サブリース」とは一体何でしょうか。
最近の潮流を合わせて解説いたします。
サブリースとは?
通常の不動産の賃貸借は、部屋に居住する賃借人自身が不動産オーナー・もしくは管理会社と賃貸借契約を結びます。
これに対して「サブリース」とは、不動産業者が所有者から物件を借り上げ、借り上げた物件を第三者に転貸して貸すという仕組みです。
所有者が直接貸すか、あいだに不動産業者が入るかが大きな違いとなります。
サブリースのメリット
サブリースのメリットは、空室リスクがないことです。
土地活用の不動産物件は、賃貸として貸し出すことで初めて家賃収入が入ってきます。
理想は常に入居希望者や使用希望者で埋まり、入居率(使用率)100%の状態ですが、事業計画書上であればさておき、現実においてはそう簡単なことではありません。
しかしながら、サブリース契約の場合、直接所有者が物件を貸し出すケースと異なり、不動産業者がリース料を支払ってくれます。
また入居者探しや使用者探しも、基本的には不動産業者が担当します。
そのため、所有者は手間が掛からないことが最大のメリットといえるでしょう。
サブリースのデメリット
メリットな面だけではなく、もちろんデメリットな面も存在します。
当然のことですが、サブリースを行う業者は慈善団体ではありません。
会社や法人、事業者になるため、あくまで利益追求が根底にあります。
よくあるケースとしては、低い家賃収入レートで提示される可能性があります。
サブリース業者はリース料を支払って所有者から借りますが、傾向として安い家賃設定で借り上げ、高く提供するビジネスモデルを導入しているところが多いです。
例えば、周辺相場10万円のワンルームを8万円で借り上げ、周辺相場と同じ10万円で転貸すれば、1戸につき2万円の利益となります。
サブリース業者によっては、格安レートを導入した家賃から更に管理料を取ることによって、安定収益に繋げています。
所有者から見れば、空室リスクの代わりに収益の一部分を継続的に提供する形です。
2000年代初頭から日本全国で爆発的に流行ったサブリースですが、普請された物件に欠陥が報じられた会社の信用棄損などが重なり、最近はあまり名前を聞かなくなりました。
しかしながら、まだ一部の地域によっては、サブリース契約を推奨する事業者も存在します。
それでは、所有者はどのように検討するべきでしょうか。
サブリース契約において所有者が検討したいポイント
上記のことから、サブリースに対して一種の警戒感が土地所有者に広まっている現在、それでもサブリースを提案する事業者は、相応のサブリースの欠点をカバーしていると考えて差し支えないでしょう。
「サブリースはいろいろ問題があるけれども、御社がお勧めするのはなぜですか」
と最初から核心をついてもいいと思います。
そのうえで所有者側で確認したいポイントは以下の2つです。
周辺の家賃相場から著しく離れていないか
デメリットの箇所でも分析した通り、サブリースは周辺の家賃相場より少し家賃設定を下げて、賃借人に高く転貸します。
所有地に貸借物件を建てた際は、周辺家賃だといくらになるか、相場を常にチェックしましょう。
リアルタイムの家賃相場を把握することによって、仮にサブリースならいくらまで(下げられても許容範囲か)が可視化できるはずです。
もちろんサブリースは空室リスクをゼロにするというメリットがあるため、全戸リースを業者に期待して、周辺家賃と同額で、とはいきません。
空室リスクの解消のためには、いくらまで業者の取り分を許容できるか、オーナーによって答えは異なります。
契約書に穴はないか
サブリースが大流行したときに問題になった、契約の継続期間です。
サブリースの業者のなかには、最初の10年だけサブリース契約を設定し、あとは通常の賃貸借にする、という契約を持ち出した会社があったようです。
また家賃の変更権を業者側が持ち、当初は相場10万円の物件を8万円でリースするも、途中から築年数などを理由にし、一方的に家賃を下げる手立てに出た業者があり、大きな問題になりました。
この場合も入居者に対する家賃設定は変わらないため、サブリース業者が手数料として受け取る金額が増えるだけの仕組みです。
サブリース業者と契約する際は、知識のないことを利用され一方的なリスクが無いかを確認して契約を結びましょう。
可能であれば、弁護士や土地活用の不動産オーナー仲間などに契約書を見てもらい、リスクがないかを確認します。
また昨今はAIを活用した契約書チェックサービスが提供されていますので、そのようなものに頼るのもよいでしょう。
まとめ
今回は、土地活用におけるサブリースと、そのメリットとデメリットをお伝えしました。
サブリースは一長一短のある制度で、業者による多くの違いもあります。
それらをしっかりと把握して、土地活用の意思決定をしていきましょう。
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