店舗やお店としての土地活用を考えてみよう
土地活用というと、アパート経営や駐車場経営を思い浮かべますが、場所によっては他の選択肢も可能です。
そのひとつが「店舗」や「お店」です。
店舗はある程度人の流れや車の流れがなくては成り立ちません。
すなわち、アパートやマンションなどよりも立地条件が厳しいのです。
今回は土地活用の一環として、店舗やお店を賃貸する場合について考えていきます。
店舗の運営方式は
今回は店舗を経営するのではなく、店舗そのものや店舗用地を貸し出して土地活用する方策のご紹介です。
店舗の栄枯盛衰は激しいものがあります。
また、新しい店舗や商業エリアに顧客が流れるものです。
こうした理由もあって店舗側は不動産を持ちたがず、必然的に土地や建物を貸すことが土地活用の主流となります。
主に店舗の運営方式は以下の2種類があります。
事業用定期借地契約
最初は土地を貸す方法です。
店舗では事業用定期借地権という、事業を行なうための借地契約がよく利用されます。
この借地契約は10年以上50年までの期間を定めて、その期間だけ土地を借り、契約更新がない契約です。
オーナーとしても初期投資額も少なく、将来的に土地が返ってくるので安心して貸せます。
店舗側も一定期間は腰を据えて経営が可能で、もし収益がよくなければ契約期間満了時に契約解除もできます。
リースバック方式
リースバックとは土地所有者が建物を建て、土地と建物を貸す という内容になります。
「建て貸し」とも呼ばれます。
土地所有者は建物を建てるため初期投資額がかかりますが、その分家賃は地代だけよりも多額です。
店舗側も建物を建ててもらえるため開店費用を圧縮できます。
ある程度の長期間を借りてくれる目算があればリースバック方式は有効です。
リスクとしては、契約途中での解約がありますが、これは違約金の設定などでリスクを回避できます。
店舗として土地活用を成功させるには
土地活用をするならば失敗したくないもの。
とはいえ、100%成功する方法もありません。
そこで成功率をなるべく上げるための方策を調べてみました。
結果はやはり事前の調査やリサーチ、そして事業者の言うことを鵜呑みにしないことが有効です。
店舗として土地活用を成功させるためのコツをご紹介します。
店舗に向いている土地であること
まずは店舗を営業するのにふさわしい土地かどうかを考えます。
現在の商業地は駅前のような人の流れがあるところや、通行量の多い幹線道路沿いなどに広がっています。
反対に人や車の流れが少ない場所での店舗需要は期待できません。
人通りのない場所にある、いわゆる「隠れた名店」のような店舗もありますが、こうしたお店は例外です。
近隣のニーズを調査すること
周辺の店舗を調査することも大事です。
同じような業種が重なると思ったように収益が上がりません。
反対に地域にないフランチャイズや業種だと同業者が参入するまでは高い収益性が見込めます。
「あんな店があったらいい」「こんな店がほしい」といったニーズを把握するように努めましょう。
同じ店舗が長続きするとは限らない
小売業や飲食業は栄枯盛衰の激しい業種で、同じ業種、業態の店舗が永続するとは限りません。
このため事業者側も単一の店舗だけでなく、多くの業種や業態の店舗を展開しています。
牛丼チェーンが寿司店舗やハンバーグレストランなども並行して展開しているのがその一例です。
また、事業用定期借地権も最短で10年の契約期間としているのも短期間での店舗転換のためと考えられます。
ひとつの契約がずっと長く続くほうが安定はしますが、短期間での店舗や業態の転換があることは頭の片隅に入れておきましょう。
規模は共同経営で乗り切れる
「面積が小さくて店舗がつくれない」と困っている地主さんもいることでしょう。
確かに単独では難しいかもしれません。
ただ、隣地と共同経営すれば可能な場合もあります。
もちろん、隣地所有者に自ら声をかけて共同経営を申し入れてもよいでしょう。
もしそれが難しければ、不動産業者や事業者の店舗開発担当者に相談してみるのも一案です。
事業者の提案を無条件に受け入れないこと
店舗で収益を上げようとすると、店舗開発担当者との関係は切ってもきれません。
彼らは常に店舗用地を探しており、適地があればいつでも出店を狙っているのです。
店舗開発担当者はオーナーの協力者ではありますが、いつも味方というわけではありません。
彼らは店舗側の人間であり、ときには対立することもあるのです。
このため、事業者側からの提案は無条件に受け入れず、きちんと検討するようにしましょう。
まとめ
商業は何が流行するのかわかりません。
かつては百貨店が席巻していましたが、今やその勢いは衰えています。
現在はロードサイド店舗や大型のショッピングモールが流行っているものの、この先何十年も安泰かどうかは不透明です。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で物販・飲食とも宅配が広がりました。
こうした流れがこの後どう進むかもわかりません。
現在の店舗契約が永続することはない、ニーズは常に変わっていくことを念頭に置いておきましょう。
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