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斜面のある土地活用はどのように取り組むべきか

公開日:2023/09/15

相続で譲り受けた土地は高低差のない平地だけとは限りません。

高低差のある傾斜地の場合も建物(上物)を建て、収益を期待することが可能です。

一方で、傾斜地の土地活用は平地と異なる点も多く、あらかじめリスクを踏まえて意思決定することがポイントとなります。

 

斜面の定義とは

斜面は土地所有者が斜面やがけ、傾斜地と認識しているだけでは足りず、法律である建築基準法上の定義、もしくは地方自治体が制定する条例(がけ条例)における定義に該当するか否かを確認します。

建築基準法上の定義

建築基準法上は、がけの場合は相応の対策を取ってくださいね、という記載しかありません。

傾斜地や斜面といった言葉はありません。

第十九条4項:建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない

地方自治体が制定する条例(がけ条例)での定義と扱い

地方自治体もまた、通称がけ条例と呼ばれる、斜面のある土地について定めています。

こちらも建築規制というよりも、「がけとして自治体から指定するから(土地所有者も周囲も)気をつけてくださいね」という趣旨のものです。

つまり、所有地ががけや傾斜地なので土地活用に特別な設計が必要です、というのは法律の定義ではなく、当事者同時の不動産取引で認識し、建築物の検査にて「倒壊の危険がありません」という建築確認を受けるための手続きであることがわかります。

そのうえで、傾斜地に上物をつくるには何が必要かを考えていきましょう。

 

斜面地に建物を建てる際のポイント

建築物のタイプ別に、傾斜地に建物を建てる際のポイントを見ていきます。

斜面に賃貸マンションを建てる場合

斜面地に賃貸マンションを建てる場合は、地盤面の対策を含めた建築確認の対策をする必要があります。

ただ、賃貸マンションは複数戸があり収益性が期待できるため、斜面地への建設も抵抗がない土地所有者が多いです。

メインの戸を2階にして半地下の1階を作ったり、階段状にしてマンション全体にデザイン性を得ることも期待できるでしょう。

しかしながら、現行の地盤では賃貸マンションの建築に耐えられず、地盤改良が必要な場合は多額の費用が必要です。

地盤の費用はケースバイケースのため、斜面地で土地活用をする際はまず地盤改良の必要性と、上物を建てる建築費用自体に何が必要かを正確に算出したうえで、建物を建てる意思決定をするようにしましょう。

斜面に賃貸戸建てを建てる場合

賃貸戸建ての場合、賃貸マンションのような複合戸のメリットは享受できません。

ただファミリー層の需要がある街では賃貸戸建てのニーズは高く、建築費用も賃貸マンションに比べて安価となる特徴はあります。

また地盤改良が必要な場合も、賃貸マンションとは上物の重みが異なるため、改良費用が抑えられるという面もあります。

斜面に居住用住宅以外を建てる選択肢

所有地に商業施設などを建て、商業施設などを誘致する方法もあります。

収益は居住用に比べてとても高いので期待したいところですが、誘致が上手くいかなければ単なる箱づくりに終わってしまいます。

まったく収益を生まない可能性もゼロではないので、気をつけましょう。

降ってわいたように誘致の話があった場合も、それが継続するような話なのか精査が必要です。

 

斜面所有地における建物以外の土地活用

斜面所有地は建物以外の選択肢もあります。

建物以外で代表的なのは駐車場、そしてトランクルームです。

建設費負担は低く地盤改良も必要ありませんが、居住用住宅でお伝えしたような斜面をデザインの一種として活用する方法は使えないため、純粋にニーズがあるかの算出が必要となります。

四国にある日本を代表する温泉街では、温泉旅館の立ち並ぶところに丘型のタイムパーキングがあり、斜面を使って隣接道路から出入りをするきわめて不便な形ですが、常に満車で賑わっています。

 

トランクルームも同様に、地価が高く荷物保管のための十分な余裕を持てない住宅が集まる地域ならば、十分に勝算があるといえるでしょう。

これらの建設は業者が一括借り上げをして建設費を負担するビジネスモデルの場合も多く、その場合は土地所有者の負担も限られたものになります。

 

日本は国土柄狭い土地が多く、高低差のある斜面地も諦めずに土地活用をすることが求められます。

その場合は平地における運用方法や費用感を基準に考えつつも、選択肢や費用、工期がどのように変わるのか、建設時だけではなく運用時にもどのような違いがあるのかを可能な限り想定し、意思決定していくことが大切です。

昨今マイカー所有者が減ってタイムパーキングの土地活用を敬遠される方もいますが、今後10年来はまだまだ車社会です。

いつまでの運用を想定しているかにより、最善の策を検討するようにしましょう。

 

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