ロードサイドの所有地を活用するときのポイント
もっとも収益性が見込める土地はどのような特徴を持っているでしょうか。
さまざまな要因によりますが、意見が多いのは
- 自動車が入りやすい土地
- 人の通行が多い土地
- 目に触れやすい土地
この3点です。
一方で、幹線道路沿い類似した土地活用が選ばれやすく、競合可能性も高いものでもあります。
今回は「ロードサイドの所有地を活用するときのポイント」について考えます。
ロードサイドの収益面のメリット
まず土地活用の収益面における成功とは、土地を貸し出した先の事業者が軌道に乗ることです。
そのためにはロードサイドの土地であることを存分に活かした建物の建設、および運用が前提となります。
オープン期間の一時盛り上がりだけでは不十分です。
まずロードサイドのメリットを深掘りしていきましょう。
ロードサイドのメリット①:車が入りやすい
自動車所有数が減少しているとはいえ、今日では幹線道路には多くの自動車が走っています。
特にお昼時になると道路沿いのレストランや軽食処には高い回転率で、多くの車が出入りします。
このように車が入りやすいのは不可欠な要素です。
曲がり道よりも直線道路の方が好まれますし、高低差が無い方が遠くからでも物件がよく見えるため、大変重宝されます。
意外な視点として、右折/左折専用レーンに面する物件は敬遠されてしまうという点です。
このレーンがあると、直進の自動車は本能的に事故を回避しようとする心理が働くため、このレーンに面する物件には入りにくいとされます。
ロードサイドのメリット②:遠くからでも物件を認識できる
幹線道路において自動車は平均50kmから60km前後で走行しています。
軽食処やコンビニエンスストアにおいて、300mほど前方から物件を認識させ、ここに入ろうかという意思決定をさせ、実際に車を入らせなければなりません。
1人で運転している方は幾分誘導が楽だと言われていますが、誘導が難しいのはファミリーカーに乗っている家族です。
たとえば夫婦と子どもが乗っていて、ファーストフード店があったとき、以下の4段階の意思決定がされます。
① 後部座席の子どもが看板を認識する
② 子どもから両親にファーストフードを食べたいと希望が伝わる
③ 両親が同意する
④ 実際に当該店舗の駐車場に車が入る
この①~④を、300mのあいだに完了することができなければ、「入れなかったね。次の店舗を探そうか」となってしまいます。
このため各事業者は、「早く認識して貰うこと」と「認識後すぐに意思決定をして貰うこと」に力を注いでいます。
テレビやインターネットで広告を流すことは、ロードサイドを走る車に意思決定を早めさせることも1つの目的としています。
ロードサイドのデメリット
一方、ロードサイドの土地を事業者に貸し出すときのデメリットはなんでしょうか。
唯一のデメリットは、競合の多さです。
ロードサイドは長い距離において幹線道路が続いていくため、類似した店舗が多くなりがちです。
それがドライバーに認識されると、別に無理をして入らなくてもいいかという意思決定を招きます。
特にコンビニエンスストアは短い距離で店舗が現れるため、とても差別化が難しいものです。
また1kmのロードサイドに飲食店が1つならば、やはり無理をしてでも入ろうとする動機が働きますが、次の店があると思わせてしまうと無理はしません。
最近は1~2km圏内のスポットを示すカーナビが高品質化しているため、次の選択肢に移りやすくなっているといえます。
ロードサイドの土地を持っていて、事業者に貸し出すときは、これらのメリット、デメリットを踏まえて意思決定するようにしましょう。
ロードサイドの活用は定期借地が一般的
では実際にロードサイドの所有地を土地活用しようと決めたとき、定期借地で貸し出すことが多いです。
定期借地は平成4年に施行された借地借家法により誕生しました。
借主の意志で更新する普通借地権とは異なり、当初定められた契約期間で借地関係が終了します。
その後の更新はなく、この制度により、土地の所有者は従来に比べ安心して土地を貸すことができる一方、借主は従来より少ない負担で良質な上物(建物)を持つことができます。
流行り廃りは必ず到来します。
そう考えるとロードサイドの土地活用者は定期的に貸し出す先が変わると想定し、土地活用を進めていかなければなりません。
日本を代表するハンバーガーチェーンに貸したから、未来永劫土地活用は大丈夫!という時代ではないことに注意しましょう。
また大前提として、今後10年前後のあいだに、本格的な自動運転の時代が到来するといわれています。
本記事で示したロードサイドの意思決定も、そもそもドライバーが人工知能であれば前提から覆ります。
急にロードサイドに登場したハンバーガーチェーンに入ろうとする場合、自動運転はどうなるのでしょうか。
時代の最新の変革はまた、ロードサイドの土地を持つ所有者の土地活用にも大きく関わってくるといえるでしょう。
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