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賃貸併用住宅で土地活用!メリットとデメリットを解説します

公開日:2023/11/14

オーナーが住む自宅と賃貸を兼ねた土地活用策として、賃貸併用住宅に人気があります。

住宅ローンを活用しながら家賃収入も得られるため、注目されている土地活用方法です。

今回は、近年人気の賃貸併用住宅のメリットやデメリット・注意点を解説します。

 

賃貸併用住宅とは

賃貸併用住宅とは、オーナーの自宅と賃貸用アパートを併用した建物です。

自宅部分と賃貸部分を組み合わせて、好みの間取りの建物を建てられるメリットがあります。

また、賃貸併用住宅に向いた土地にも特徴があるのであわせて解説します。

賃貸併用住宅の基本的な間取り

賃貸併用住宅の間取りは、自宅部分と賃貸部分を組み合わせて設計します。

建設資金として住宅ローンを利用するには、自宅部分を全体の1/2以上にしなければならないという制約があります

そのため、自宅部分と比べて賃貸部分の方を大きくすることはできず、大規模な建物には向いていません。

ただし、床面積の比率には制約があるといっても、間取りを工夫することは可能です。

基本的な間取りの例は、次の図を参考にしてください。

間取りには、基本的に横割りタイプと縦割りタイプがありますが、ファミリー向けにするか単独入居者向けにするかで仕様が変わってきます。

賃貸部分を分割することで学生など独身者向けスペースにすることも可能です。

アパートタイプを含めるとバリエーションが増えます。

もしも住宅ローンにこだわらなければ、床面積の制約がなくなるので間取りの自由度は格段に上がります。

間取りを考える際には、入居者がファミリーなのか独身者なのかの想定や、資金繰りや立地条件などを総合的に考えることが必要です。

賃貸併用住宅に向いている土地

賃貸併用住宅は、賃貸物件でありながらマイホームでもあります。

オーナーと入居者にとって、どのような土地が向いているかを考える必要があります。

自宅として過ごしやすく、入居者が集まりやすい土地の特徴は次のとおりです。

  • ・駅から近いなど交通の便が良い
  • ・商業地から離れていて静かさが保てる
  • ・買い物をする場所など生活関連施設が近い

これらの条件は、想定する入居者が社会人か学生かファミリーかなどによっても異なります。

また、既に所有している遊休土地を活用する場合には、立地条件によりどのような客層をターゲットにするか考える戦略も必要です。

 

土地活用としての賃貸併用住宅のメリット

土地活用として賃貸併用住宅を持つメリットには、次のものがあります。

  1. 1.住宅ローンを利用できる
  2. 2.節税効果がある

1.住宅ローンを利用できる

賃貸併用住宅で1/2以上が自宅の居住用部分であれば、住宅ローンの融資を受けられます。

賃貸物件に関するローンには事業用のアパートローンもありますが、金利を考えると住宅ローンを適用できた方がお得です。

また、仮に建物全体に対し賃貸部分の割合が大きくなっても、居住用部分と分けて区分所有登記することで、居住用部分だけ金利の低い住宅ローンの融資を受けることも可能です。

賃貸部分と自宅部分で金利差は発生しますが、低金利のメリットを享受できます。

 

また、住宅ローンで建設する場合は、賃貸部分の家賃収入で返済を行えるのがメリットです。

オーナーが給与所得者である場合、本業の給与から返済する必要がありません。

また、ローンの返済が終われば、家賃収入のすべてを副収入として安定的に得ることができます。

 

さらに、住宅ローン控除が受けられるのもお得な点です。自宅部分に限られますが、少しでも負担を減らしたい方にメリットとなります。

2.節税効果がある

賃貸併用住宅には、所得税や固定資産税・相続税などさまざまな節税メリットがあります。

所得税のメリット

所得税のメリットとしては、賃貸事業で支出が多く赤字になってしまっても、給与所得と損益通算できるので納税額を少なくできる点が挙げられます

また、青色申告の事業者になれば、特別控除が受けられるだけではなく、損失の繰り越しなどさまざまな税制上の恩恵を受けられます。

固定資産税のメリット

固定資産税では、小規模な宅地について200平方メートルまで固定資産税評価額が1/6になるなどの特例があります

建物が建っていない更地には適用されない特例なので、税負担が抑えられ有利です。

引用元:東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋) 

相続税のメリット

賃貸併用住宅は、相続税対策としても有効です。

小規模な宅地は相続税評価額が大幅に軽減されます。

賃貸事業用の宅地は200㎡までであれば50%、居住用の宅地であれば、330㎡までは評価額を80%減額できます。

また、賃貸部分の土地は、貸家建付地として評価が下がるのですべてを居住用の宅地とするよりもお得です。

参考:
国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
公益社団法人 全日本不動産協会 宅地の相続税評価について

土地活用としての賃貸併用住宅のデメリット

土地活用として賃貸併用住宅を持つデメリットも理解しておきましょう。

  1. 1.賃貸部分に住宅ローンの制約がある
  2. 2.オーナーと入居者が近くなりすぎる

1.賃貸部分に住宅ローンの制約がある

住宅ローンは、低い金利の適用を受けるために設計上の制約があるのがデメリットです。

賃貸併用住宅に住宅ローンの融資を受けるには、自宅部分が全体の1/2以上でなければなりません

そのため、賃貸部分をさらに増やしたい場合は、住宅ローンではなく、事業用のアパートローンを活用する必要があります。

また、住宅ローンを借りた際に一定の条件で受けられる住宅ローン控除は、住宅部分にしか適用されない点にも留意しましょう。

2.オーナーと入居者が近くなりすぎる

賃貸併用住宅では、同じ建物の中でオーナーと賃借人が住むことになります。

普通のアパート経営とは異なり、距離感が近いのが気になる場合があるかもしれません。

住人の苦情対応や近所付き合いなどが苦手な場合にはおすすめできません。

 

賃貸併用住宅の注意点

賃貸併用住宅の注意点は次のとおりです。

  1. 売却が難しい
  2. 管理が難しい

1.売却が難しい

賃貸併用住宅は、居住部分と賃貸部分が一体となっている構造のため、売却したり取り壊したりするのが難しいです。

一般的な戸建住宅とは間取りが違い独特なため、単なるアパートを売却するのとは異なります。

また、建替えや売却の際には、オーナーの住む場所を見つけなければならない点にも注意しましょう。

2.管理が難しい

入居希望者が物件を探す際に、賃貸併用住宅はオーナーとの同居を避けたい人に敬遠される場合があります。

一般の共同住宅に比べて、入居者を募集する際に不利になるかもしれません。

 

また、日常の管理を管理会社に委託していたとしても、オーナーに直接問い合わせや苦情が入ることがあります。

入居者と距離が近いため、好まなくても付き合いが発生することは留意しておきましょう。

 

さらに、賃貸併用住宅では間取りの制約上、多くの入居者を募集するのが難しいです。

住宅ローンを活用する場合は、大きなビジネスにはなりません。

あくまでも副業の感覚で経営することが必要で、住宅ローンの返済に家賃収入が充てられるのがメリットと割り切りましょう。

 

まとめ

賃貸併用住宅は入居者と同じ建物に住む構造で、金利の低い住宅ローンの融資が受けられ、各種の節税効果が享受できるのがメリットです。

しかし、住宅ローンの融資を受けるため間取りが制約され、入居人との距離感が近いことにも注意しておく必要があります。

 

賃貸併用住宅では、大きな収益を挙げるのではなく、オーナーが住むための住宅ローンを家賃収入で返済できるのが一番のメリットと考えましょう。ローン返済後には、安定した家賃収入も期待できます。

今回のコラムが、賃貸併用住宅を考えている方の参考となれば幸いです。

 

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