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土地活用としての「リースバック」とは?資産運用の基本を確認しましょう

公開日:2023/11/21

土地活用をする際には自己資金で建物を建設することが一般的ですが、自ら資金を準備しなくても活用できる方法もあります。

土地の上の建物を建設する費用を事業者に提供してもらう、リースバックという方法です。

今回のコラムでは、初期費用を抑えて賃料収入が得られる、リースバックの基本と流れなどについて解説します。

 

リースバックとは

リースバックとは、土地を利用したい事業者から「建設協力金」を受け取って土地所有者が建物を建設し、事業から得た収益を元に事業者から賃料を受け取る方法です。

建設に際して受け取る建設協力金は借入金の性格を持ちますが、事業者からの建物賃料で相殺しながら収益を得ます。

土地は所有しているものの有効に活用できていない場合や、自ら事業を行うには自己資金が不足している場合に有効な土地活用方法です。

 

リースバックと事業用定期借地権

少ない元手で土地活用を始める方法には、リースバックと事業用定期借地権があります。

違いをまとめると次のとおりになります。

賃貸対象 建物名義
リースバック 建物 土地所有者
事業用定期借地権 土地 事業者

リースバックは、建設協力金を得て土地所有者である貸主が建物を建設し、事業者から建物の賃料を得る方法です。

一方、事業用定期借地権は、専ら事業用に土地を期限を決めて貸し出す方法で、土地所有者は建物を建設せず、土地の賃料のみを得ます。

あくまでも土地を定期で貸すだけなので、建物は借主である事業者が建設・所有する点に留意しましょう。

今回は、このうちリースバックについて詳しく解説していきます。

 

リースバックするメリット

リースバックで土地活用するメリットは、次のとおりです。

  1. 1.建設費用がかからない
  2. 2.空室リスクがない
  3. 3.節税効果がある

1.建設費用がかからない

土地活用でリースバックを行うと、土地上の事業用の建物は、原則として事業者からの建設協力金によって建設します。

土地所有者は自己資金を用意する必要がないのがメリットです。

ただし、建設協力金のみでは資金が不足する場合には、土地所有者の借入れにより建設資金を調達する場合もあります。

いずれにしても、土地活用のためにすべて自己資金を準備するよりも、初期費用を押さえられるのが特徴です。

2.空室リスクがない

リースバックに応募する事業者は、事業目的と見通しがあって建設協力金を支払います。

事業者のしっかりとした見込みがあるので、空室になるリスクは極めて小さいです

土地所有者が空室リスクを負って建設することに比べると、格段に安心感があります。

3.節税効果がある

リースバックは相続税上の節税効果があります。

土地は貸家建付地、建物は貸家となるので相続税の評価額が減額される仕組みです。

一方、事業定期借地権では、土地は宅地と判断されるので、貸家建付地ほどの評価減は受けられない点を押さえておきましょう。

 

リースバックするデメリット

リースバックするデメリットは、次のとおりです。

  1. 1.固定資産税の負担が必要
  2. 2.建物が残る
  3. 3.賃料が低い

1.固定資産税の負担が必要

リースバックでは、土地と建物は貸主である土地所有者の所有となるので、固定資産税が課税され納税する義務があります。

土地所有者は、毎年発生する固定資産税の負担額を踏まえて、貸付計画を練ることが必要です。

なお、ここでは触れませんでしたが、建物完成時に事業者に建物を譲渡する方法もあります。

その場合は、建物所有者である事業者が建物にかかる固定資産税を納税する義務があるので区別しておきましょう。

2.建物が残る

事業用定期借地権では、期間終了時に更地にして返すのが原則です。

しかし、リースバックでは、土地上の建物は土地所有者のものなので、貸付期間が終わって不要であれば取壊費用が発生します。

建設時に事業者の意向を取り入れて建設した建物を、他の用途に活用するのは難しい場合が多いです。

契約期間が終了した際には建物を取り壊すか、大規模改修するかの判断をしなければなりません。

3.賃料が低い

リースバックでは、建物が事業者の要望に添って建設されるだけではなく、賃料も事業主の要望が尊重される傾向があります

土地所有者と事業主が共同して事業プランを作成していくため、事業者の意向を尊重せざるを得ません。

一般の宅地や建物を貸すよりも賃料が低い傾向があるので注意が必要です。

 

土地をリースバックする活用例

リースバックの活用例として、コンビニや老人ホームなどの福祉施設、駐車場、アパート、商業テナントなどが挙げられます。

事業者の意向も尊重しながら、最適な活用方法を選ぶ必要があります。

土地にあったニーズを調査分析するには細かな条件があるので、土地活用会社などの専門家に相談するのもよいでしょう。

 

土地活用でリースバックする流れ

地主が立地条件に合ったニーズを調査分析し、最終的に建物を建設して賃料収入を得るまでの流れを順に解説していきます。

  1. 1.専門家に調査・分析を依頼
  2. 2.事業者の選定
  3. 3.建設協力金の受け取り
  4. 4.建設
  5. 5.賃料の受け取り

1.専門家に調査・分析を依頼

所有地でどのような事業が可能かを、土地活用会社など専門知識を持つ第三者に調べてもらうとよいです。

調査結果に基づき、適切な事業者の募集・選定を行います。

2.事業者の選定

土地活用の方法が決まったら、リースバック方式で賃借できる事業者を募集します。

専門家に依頼するなどして条件に合った事業者を探してくれるサービスを利用すると、自力で探す手間が省けるでしょう。

3.建設協力金の受け取り

事業者の応募を受け選定が終わったら、賃貸借契約を締結し建設協力金を受け取ります。

建設協力金は建設費用に充てられますが、いずれは返済しなければならない借入金と考えましょう。

利息は著しく低いか無利息の場合が多いです。

4.建設

建設協力金を元に、事業で必要な建物を建設します。

建設する際は、事業者の要望を尊重して設計しなければなりません。

建設協力金だけでは資金が不足して別途借入れが必要な場合もあるので、事業者と綿密に打ち合わせを行い、設計内容を確定させる必要があります。

5.賃料の受け取り

建物の建設が終わり事業が始まると、借主である事業者から賃料を受け取ります。

賃料は建設協力金の返済と相殺されます。

 

資産活用として土地活用でリースバックを

少ない自己資金で土地を活用する場合は、リースバックが有効です。

初期投資を極力避けられるので、効率的に資産運用が可能となります。

リースバックには次のようなメリットがあります。

  1. 1.建設費用がかからない
  2. 2.空室リスクがない
  3. 3.節税効果がある

 

信頼できる事業者の選定や無理のない計画の策定には、土地活用会社などの専門家の力を借りると良いでしょう。

せっかくの遊休土地がある場合は、ぜひリースバックを検討してみましょう。

 

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