近年注目されている土地や遊休地の活用方法とは?
土地活用イコール賃貸アパート建設の印象が強いですが、ほかにも様々な活用の方法があります。
それぞれのメリットやデメリットを紹介するとともに、どのような土地に適性があるのかをお伝えします。
土地所有者の方々は、自身の有している土地にはどのような方法が合っているのかを時に時間をかけて検討したいものです。
賃貸アパート運用は一定の規模感以上に適性がある
土地活用といえば賃貸アパート経営と言い換えられますが、一定規模以上の広さの土地に適性があるといえます。
土地所有者が所有している遊休地(活用方法が定まっていない土地)がどれくらいの面積かによって変わってきます。
1ルームアパートだと仮定して、おおよそ10~15戸ほどの戸数で、土地面積としては70~90坪前後だと試算が出来ますが、これより小さな土地では、賃貸アパート以外の方法が推奨されます。
対象の土地に上物(建物)を建築する場合、想定の土地面積より狭ければ建築資材も施工費用も減少するのではと考えがちですが、一概にはいえません。
建築物を建てるための人件費を人工(にんく)といいますが、現場にて作業にあたる期間やトラックや車両の確保代によって人工代は変化します。
このように建築費は施工面積に比例するわけではないという点は注意が必要です。
また木材の輸入日は鉄骨の材料費など、建築素材も面積が小さい場合、加工費により割高になる可能性もあります。
いわゆる長方形に近い整形地ではなく、旗竿敷地のような不整形地だと、費用は割高になります。
土地に高低差が見られる場合も同様です。
一方で賃貸アパートには適性な面積ではなくても、戸建を建築して貸し出す賃貸戸建や、いわゆるテラスハウスと呼ばれる複数の戸建てが共通壁で連なる物件もあります。
特に都市部においてはテラスハウスやメゾネットなども好まれる傾向が強いです。
駐車場や倉庫などの業者も増加
賃貸アパート以外の遊休地の活用には、どのようなものがあるのでしょうか。
一般的な運用方法が駐車場で、砂利を敷き詰めた簡素な駐車場からアスファルト敷き、ストッパーや支払機まで充実した設備を建設するコインパーキングがあります。
駐車場以外では、トランクルームの活用方法が注目されており、自宅にある荷物を一時的に預かるビジネスの置き場です。
すぐに使わない荷物や衣類、スキーなど季節性用途の荷物などは意外にもかさばり、自宅に置ける場所の確保も難しいもので、利用者の中には自転車やバイクなど、小型の乗り物置き場としても使用する方もおられます。
主に土地所有者から事業者が借り上げ、長方形の2階建てコンテナなどを設置し貸し出します。
賃貸アパート以外の活用メリットは初期費用がかからないこと
駐車場やトランクルームのメリットは賃貸アパートに比べ、初期費用を必要としないことです。
賃貸アパートは建築請負契約をしたうえで、建築費は土地所有者が負担する形をとります。
一方の駐車場やトランクルームは、業者にもよりますが一般的には土地所有者と定期借地契約を結んだうえで、借り上げたうえで業者負担で諸設備を建築します。
賃貸アパートの建築費は物件によりますが数千万円、一億円を超えることも珍しくありません。
一方の駐車場・トランクルームは基本的に土地所有者の費用負担はありません。
初期費用以外の両者の最も大きな違いは、土地活用の流動性です。
賃貸アパートの収支計画は30年以上を想定するのが一般的です。建築した後に入居率が想定通り見込めないからとすぐに立て壊した場合、例外なく収支は赤字になります。
駐車場はトランクルームは通常、指定した期間の定期借地契約を結び、その後の所有権は土地所有者に戻ります。
大がかりな土地活用をしたいけど今じゃない場合に駐車場はお勧め
土地所有者として何も手を打たないと、固定資産税や都市計画税の負担はすべて持ち出しになります。
何かしらの形で、所有している土地に「働いてもらう」ことが必要です。
ただ、数千万円を借り入れて賃貸アパートを建てる決断がどうしてもできない場合、一時的に駐車場を建築するという考え方はあります。
金融機関からアパートローンを借りるには何十年ローンになるため、契約者(現在の土地所有者)の年齢が高すぎる場合、踏ん切りがつきません。
子世代と合わせて二世代ローンを組む方法もありますが、当然ながら子どものOKが貰えないと組むことができません。
その時に10年15年のスパンで駐車場として、次の機会到来を待つという考え方です。
少子化につき自動車の数も減ってはきているといわれますが、街を歩くと昔と変わらずたくさんの自動車が走っています。
特に地方においては、自動車が無ければ足が無く、生活が成り立たない街も少なくはありません。
短期的視点で初期費用にアクセルをかけた土地活用と、タイミングをしっかりと見計らっての長期的な土地活用、信頼できる不動産コンサルティングの専門家などに併走して貰いながら、大事な所有地の行き先を定めるようにしましょう。
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