土地のデッドスペースを活用するときのポイント
土地活用のなかで、もっとも付加価値を生むのはどの部分でしょうか。
結論を急ぐと、デットスペースです。
余剰値をどう使うかによって、土地活用の成功可能性を上昇させることができます。
土地活用のデットスペースとは
土地活用時のデットスペースとはどのような部分を指すのでしょうか。
土地活用のパターン別に見ていきましょう。
賃貸住宅の場合
まずは一戸建てなどの賃貸戸建ての場合です。
賃貸住宅におけるデットスペースとは、賃料対象に含まれない部分を指します。
120㎡の住宅用途の土地をイメージしてみましょう。
仮にこの土地のうち、70㎡は上物(建物)が建築されている居住用スペースです。
この部分はデットスペースではありません。
また、入居者に快適に暮らして貰うための駐車場や庭、玄関に向かうためのエントランスなども該当しません。
デットスペースに該当するのは、余剰スペースにある芝生や土がむき出しの部分です。
テーブルやイスを置くために充分なスペースがあればいいのですが、用途の選択肢が複数持てない場合は入居者も活用に困ることでしょう。
ただ不動産の貸し手としては芝生などで埋め、敢えて用途を定めないことで入居者の満足度を高める効果もあります。
子ども用の簡易プールを設置する家庭もあれば、パパのためにゴルフのパター練習用の活用もあるでしょう。
敢えて入居者にデットスペースの活用法を委ねるのも、ひとつの方法でしょう。
都市部の賃貸戸建てなどあまりイメージは沸きませんが、地方で敷地面積の広い場合だと、デットスペースで物件の付加価値を上げることができます。
賃貸アパートの場合
一方、デットスペースの扱いが難しいのは賃貸アパートです。
賃貸アパートの場合は複数の入居者に区分して物件を貸し出します。
駐車場など区分の対象になる部分を除き、入居者に共有して活用される部分です。
各戸の玄関に至る道や自転車保管場、ゴミ捨て場などです。
物件によっては、このほかにデットスペースがあります。
戸建と同じく芝生で覆われている場合も、土がむき出しになっている場合もあります。
賃貸アパートのデットスペースは、有効活用が高いとはいえません。
なぜなら、賃貸アパートのデットスペースは、それぞれの入居者に帰属するものではないからです。
入居者のいずれかが独断で賃貸物件のデットスペースでゴルフの練習を始めれば、即刻オーナーや管理会社に怒られてしまうでしょう。
つまりオーナーが手をつけたり、方針を決めたりしなければ、デットスペースはいつまでも価値を生まないままなのです。
オーナーや不動産管理会社で主導して方向性を決めることが求められます。
デットスペースを活用し、物件の価値向上につなげたい
オーナーとしては、デットスペースを活用して、物件の価値向上につなげたいものです。
入居者が快適となるよう投資する場合もあれば、敢えて子どもたちが遊べるスペースを作る方法もあります。
土地によりますが、賃貸物件の運営はレッドオーシャンです。
入居者は物件有りきの場合もありますが、仕事の都合や利便性などで居住したい街を絞り、物件を探す入居希望者もいます。
道路を挟んだ向かいの物件と、自分の所有する物件が比較される場合もあるでしょう。
賃貸物件の内容が差がつかない場合、最後の決め手となるのはデットスペースをどう活用しているかの差になる可能性もあります。
土地活用時に相談したい外構の専門家
実際に賃貸物件を稼働し、デットスペースが誕生してから「どうしよう」となっても選択肢は絞られ、既に設置した芝生などを撤去するのにも費用がかかります。
適切なのは土地活用時、すなわち物件の利用時に外構の専門家に相談することです。
外構とは建物以外のスペースを総合的に指す呼び方です。
外構をどのような方針で整備するかや、どれくらいの費用をかけるか、その結果想定できる付加価値はどれくらいかを可視化します。
もちろん土地の所有者が外構の専門家にコネクションが無い場合もありますので、不動産管理会社に相談して相談してみましょう。
専門家ではなくても複数の土地を持つオーナーに相談するのもひとつの方法です。
入居者の高い物件がデットスペースをどのように活用しているのか、実際の成功例を参考にする方法もあります。
今後はデットスペースを意識的につくる動きも出てくるか
ほかの土地オーナーとレッドオーシャンの競争をする前に「逆張り」する方法もあります。
入居スペースを小さくして、斬新なアイデアのデットスペースを作り、家賃を高くするような考え方も生まれてきます。
これからの日本は人口減少期です。
オーナーにとって小さいパイを競争し、家賃の獲得を確実なものにしていく。
そのような風潮が生まれてくるもの、時間の問題だと考えます。
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