キャンプ場への土地活用を考える
みなさんは「キャンプ」をしたことがありますでしょうか?
世間ではキャンプブームが続いています。
以前のような家族や友人と泊りがけで自然を楽しむキャンプに加え、プライベートな空間を求めた「ソロキャンプ(そろキャン)」も増えてきています。
応じて土地の所有者には、キャンプ場やそろキャンの行えるスペースへの土地活用を考える人も増えてくるでしょう。
そこで今回は、キャンプ場への土地活用のポイントについて考えてみましょう。
キャンプ場へ土地活用する場合もメリットとデメリット
まずメリットとデメリットです。
それぞれどのようなポイントがあるのでしょう。
なお、キャンプ場としての活用を考えている土地は、現在特に上物(建物)などは建っておらず、更地に近い状況とします。
キャンプ場へ土地活用する際のメリット
まず考えられる第一のメリットは、建築費用がほとんどかからない点です。
いわゆる荒地を提供すれば、利用者は自由にテントを立ててキャンプを楽しめます。
ただ、トイレや外構・駐車場、そしてキャンプには不可欠な水回りを整備する必要がある場合、相応の金額が必要となるでしょう。
実はこれらの設備を作らなくても、キャンプ場として提供することは可能です。
ただ、キャンプ場はブルーオーシャンではないため(特にキャンプ場が多そうな郊外地においては)、投資しなければリターンを得ることは難しいでしょう。
またキャンプ場として世間に認知して貰うためには、積極的な広告展開が不可欠です。
その時にも設備がどれくらい満たされているか、ほかのキャンプ場と何が違うのかは、大切なアピール要因になります。
まずはキャンプ場だからコストがかからないではなく、事業としてどれくらいの先行コストと、収益を埋めるかを考えていきましょう。
場所によっては隣地に公営のトイレや水場がある場合や、道の駅などがあるケースがあります。
自己所有地への導線をしっかり確保することにより、コストをかけずにキャンプ場として活用することはできるでしょう。
先代から土地を承継した場合、自身で土地を選ぶことはできないため、投資がどの程度になるかは運次第です。
道の駅など公益性の高いものではなく、民間施設の場合はキャンプ場のお客さんも使用していいものか、対外折衝が必要になる可能性もあります。
一方、キャンプ場の活用を目指して土地を購入する場合は、高い倍率が予想されます。
競争相手は個人投資家ではなく、ある程度資金力がある事業会社も考えられるためです。
複合的なレジャー施設ではなくキャンプ場単体とする場合は、そもそも土地取得に不利となることも考えられます。
キャンプ場として活用できない時期をどう考えるか
キャンプ場としての土地活用は、1年12カ月のうち限定的です。
地域にもよりますが、6月から10月くらいがおおよそのキャンプシーズンといえます。
そう考えると、1年のうち稼働できない時期の方が多いことに気がつきます。
ポイントとして、この期間をどのように考えるかが重要です。
収益性を考えないのであれば、稼働しない期間は放置しておく、でも問題ないと思います。
ただ投資効率を考える以上、なかなか放置戦略は取れないでしょう。
キャンプ場として稼働できない時期に、いかに代替案で収益を得ることができるかだと考えます。
キャンプ場として土地活用する際のデメリット
一方のデメリットについても考えていきましょう。
季節による投資効率などは既に述べたため、ほかのポイントを見ていきましょう。
節税効果が不明確
土地活用の目的のひとつに、固定資産税と都市計画税の軽減効果があります。
賃貸アパートや賃貸戸建てなどの活用であれば節税の対象になりますが、キャンプ場は不透明です。
税理士に相談したり、場合によっては設計図面を持って税務署を訪問するなどして、認められないリスクを減らしていきましょう。
実際に活用が始まってから税額控除の対象ではありませんといった展開は、何よりも避けたいところです。
清掃などのランニングコスト
キャンプ場の運営はイニシャルコスト(開場時のコスト)が注目されがちですが、実は意外なランニングコストも要するものでもあります。
開場した後はオペレーションを回すのに人手がいるほか、ゴミ処理の問題もあります。
また使用劣化によりテント設置場所が傷ついた、マイカーの停車により駐車場が劣化したなどの対処もしなければなりません。
ゴミを捨てるのにも、自宅で家族単体で捨てるのと、事業者として捨てるのはコストが大きく変わるといわれています。
清掃に限らず、結局はランニングコストに見合うだけの収益が見込めるかで判断しましょう。
また、一部のキャンプ場では、お1人の女性利用客に対して悪質な声がけが発生するなど、ブームの陰りとなる話も聞こえてきています。
まとめ
キャンプ場のブーム自体が今後どうなってくるかという全体像も注視したいところではありますが、
土地活用における活用方法の候補として、「キャンプ場」を選択肢に加えてもよいと思います。
ただ、これらのメリットとデメリット、そして費用感を踏まえ、どう考えるか検討していきましょう。
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