三角地活用のヒントと創意工夫で生み出す新たなビジネスチャンス
土地の有効活用は資産運用において極めて重要になりますが、三角地のように形状の土地はその特殊な形状故に有効的に活用するのは
難しいと考えられます。
しかし、三角地には目立つ立地である事が多いという強みがあり、創意工夫次第で魅力的な収益源となり得ます。
本コラムでは、三角地の特徴と課題を整理して、国内における様々な三角地活用事例を紹介しつつ、
効果的な活用方法とそのポイントを説明します。
三角地の特徴と課題
三角地の形状上の特徴
三角地とは、道路や河川の整備を許可し、余剰地として生じた三角形の土地を使用することです。
通常の長方形の宅地とは異なり、一般的な建物の建設が困難であることが大きな特徴です。
加えて、以下のような性質があげられます。
・土地の形状が三角形で狭い
・道路や交差点に面した目立つ立地条件
・交通量が多く騒音や排気ガスの影響を受けやすい
このように三角地は、不規則な形状と道路近接による環境の課題を抱えています。
三角地が抱える一般的な課題
こうした三角地の特徴から、以下のような課題が想定されます。
・形状の制約から利用用途が制限される
・建物の建設や設備投資にコストがかかる
・目立つ立地の反面、交通騒音や排気ガスの影響を受けやすい
・地形のため管理が手間がかかる
三角地は目立つ立地である事が多く、それ故の課題やリスクもありますがその立地をビジネスチャンスと捉えることができ、
それを理解した上での活用が重要になります。
三角地を活用するにあたって留意点
法的規制の確認
三角地は一般の地と比較すると、立地条件が特殊であるため、様々な法的規制がかかっている可能性があります。
例えば、道路の三角地が占有できないケースがあり、無断での使用は禁止となります。
建物の建設に関しても、建ぺい率や使用規制などの条例で制限されていることが考えられます。
したがって、三角地の権利関係や、市区町村の定める土地利用の規制事項を事前に綿密に確認し、法的な規制に留意する必要があります。
違法な利用となれば、軽微な違反でも重い処分を受ける可能性があるため、注意が必要です。
採算性の検証
三角地は面積が狭いことが多いため、収支の採算が取れるよう初期投資を抑え十分な収益が見込めるかを検討しましょう。
立地の良さを生かす事業への活用なら採算が取れるはずですが、そうでない場合は活用を見直す方が得策です。
事業の継続が困難になれば、遊休地となり資産の棄損に繋がります。
周辺環境への配慮
三角地は道路に面した目立つ立地であり、営業活動や設備の設置によって周辺環境に影響を及ぼすリスクがあります。
例えば飲食店等を出店する場合、臭気や騒音が近隣住民への悪影響を及ぼす可能性があります。
このように、三角地の活用においては、周辺への影響を事前によく検討し住民への説明や理解を得ることが重要です。
営業時間の設定、換気や防音対策の実施、屋外設備の配置場所の工夫など、環境保全のための適切な措置を
講じる必要があり、三角地の活用メリットと周辺環境への影響をよく検討し、バランスの取れた運営が重要になります。
交通アクセスが不便な立地
三角地が交通アクセスの不便な場所である場合、集客面で不利な側面があります。
こういった場合は駐車場などの活用が一案ですが、立地での利点ない以上集客を見込めず採算が取れにくい可能性があります。
そのためオフィスや店舗など、執務環境や居住環境として使うには課題が多く、適した業種には制限があります。
また、建物の建設が制約される恐れがあります。三角地は形状が不規則で狭小なこともあり、一定の規模以上の建物を
建設するのは物理的に難しい場合や建築基準法による建ぺい率や容積率の制限建物の建設が制約される恐れもあります。
三角地の効果的な活用方法
前項のように、三角地活用には多くの注意が必要ですが、対意工夫でそれらを解決する方法はあります。
三角地の形状的な制約を逆手にとり、立地の良さといった強みを最大限に生かし魅力的な収益源にすることができます。
以下に、具体的な活用方法をお勧めします。
駐車場や資材置き場として活用
建物建設が難しい三角地は、低コストで駐車場や工事現場の仮設資材置き場として活用できます。
駐車場を例にとると、立地が道路沿いで目立つことから、通行人の目に留まりやすく、出入りもしやすい立地条件です。
都市部の立体駐車場や、郊外の大型商業施設の駐車場として需要が見込めます。
資材置き場についても同様に、道路からのアクセスが良好な点がメリットです。建設現場の仮設置場や、
港湾・物流施設の積載スペースなどとして、効果的に活用できます。
飲食店やキッチンカーの設置
目立つ立地を生かせば、小規模な飲食店やキッチンカー、移動販売車の設置場所として三角地を活用することができます。
飲食店の開業には一般に店舗コストを削減できます。利益が、三角地なら低コストで事業を始められます。
例えば、三角地内では、バーガー店がコンテナを改修し、軽食喫茶の店舗を開店しています。
駅や繁華街の近くの目立つ立地に加え、簡易的な設備で開業できたため、低コスト運営が実現。
通勤・通学客をターゲットにできるメリットもあり、開店以来行列のできる人気店となっています。
コンテナハウス・コンパクトオフィス・シェアオフィス
コンテナハウスなどの簡易構造物 コンパクトオフィス・シェアオフィスとしての活用も有効です。
コンテナハウスの場合は、設置コストが抑えられるだけでなく、需要に応じて柔軟に増設できるのがメリットです。
コンパクトオフィスも、土地の面積に応じた柔軟な建築が可能です。
広告看板やアンテナ設置 スペース
広告やサイン、通信アンテナなどの設置場所として三角地を活用し地主にとって新たな資源を生み出すことができます。
三角地が道路沿いの目立つ立地であることから、効果的な広告スペースとしての需要があります。
例えば、高速道路の三角地帯では、大手広告会社が広告看板を用意しています。主要幹線の交差点の近くにある場合は、
車からの視認性が高く、看板設置先として最適な立地となり設置コストが大幅に削減されるため、
広告料としての収益が見込めます。
また上記以外でも、イベントスペースや野外ステージ、フリーマーケットの会場など一時的な活用方法も考えられます。
いずれの場合も立地の良さと設備コストの低さがポイントになります。
国内の三角地活用成功事例
事例1:三角地を利用した人気バーガー店(埼玉県さいたま市)
さいたま市内の一角にある細長い三角地。そこには厨房を備えた小規模の店舗を構えているのが、地元で人気の高級バーガー店です。
主な客層は近隣の住民や通勤・通学客で、道路際の目立つ立地を最大限に活かし、
通行人の目に留まりやすく連日行列のできる繁盛店となっています。
三角地の低いコストで開業できたことも大きな成功要因です。
事例2:三角地にコンテナオフィスを設置(大阪府大阪市)
大阪市内の狭い三角地に、複数のコンテナハウスを設置したレンタルオフィススペースがあります。
三角地にコンテナオフィスを設置(大阪府大阪市)には可能で、全体で10区画程度のコンパクトなシェアオフィスが実現しました。
最大のメリットは、必要に応じて区画を増設できます。
このシェアオフィスでは、ITベンチャー企業や起業家が入居しています。
好立地で低価格なオフィス環境と、多様な分野の起業家同士の交流があるものから、ユニークな新しいタイプの
シェアオフィス事業と言えるでしょう。
事例3:三角地に活用した立体駐車場の開設(東京都世田谷区)
世田谷区の三角地に、2階建ての立体駐車場が開設されています。
一般の地形では建設が難しかった立体駐車場を、三角地活用で実現しました。
立地も交通量の多い幹線道路沿いで目立つため、地元住民のニーズに合った利便性の高い駐車場となっています。
立体駐車場は、一般に建設コストがむずかしいため採算性の課題がありますが、三角地の活用によってその課題をクリアできました。
設備投資も完了しており、遊休地助成金を大きく高める事業として取り入れています。
事例4: 三角地にコンテナ園芸ファームを設置(福岡県福岡市)
福岡市内の三角地に、農家が簡易な農業用コンテナを設置し、新鮮な野菜を生産・販売するファーミングスポットを作りました。
市街地の目立つ立地を理解して、通行人に対する販売スポットとして活用されています。
当初は遊休地でしたが、コンテナでオーソドックスな小さな園芸農場は、地産地消の野菜が人気となり、
徐々に規模を拡大。
現在は地域で高い知名度を持つ農園へと成長しました。土地への投資コストが抑えられたことが、
この事業を可能にした大きな要因です。
都市型の小規模農園は、三角地を問わず耕作放棄地の活用という観点からも注目されています。
こういった創意工夫により、三角地を上手く活用すれば、十分に採算が取れる事業運営ができると言えるでしょう。
民間でも各地で三方地の有効活用に乗り出しています。
資源を切り替える大都市圏、過疎地域の取り組みも進んでいます。
行政の支援も受けられる場合があり、立地の環境を見据えた上で、チャンスとなる投資機会を
様々な業種が生み出しています。
土地活用の最も重要な課題は、土地の立地条件をよく知り、合理的・効率的な活用を具体化することです。
三角地にはそのようなチャンスが多く存在すると言えるでしょう。
三角地のメリットを最大限に生かし、土地環境への配慮や方法のリスクには十分な注意を払う。
このようなアプローチを徹底し、独立した土地の実情を的確に反映することで、土地の資産価値を最大化できる。
このように三角地には、相応の注目を集めればビジネスチャンスが多く存在する実態があります。
まとめ
三角地は形状的な制約があるの、限られた土地を創意工夫次第で活かすことができます。
駐車場や飲食店、コンテナオフィス、広告看板、園芸農場といった多様な活用方法が考えられ、
立地を最大限に生かせば魅力的な収益源となります。
土地の形状にとらわれず、その立地の良さや特性を最大限に生かす発想こそが、三角地を資産化する鍵となるでしょう。
三角地の可能性に着目し、創意工夫を重ねることで、新たなビジネスチャンスを生み出すはずです。
本コラムで紹介した国内の様々な成功事例を参考に、三角地の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、三角地の有効活用方法と国内の具体的な成功事例をご紹介しました。
三角地は形状の制約がありますがむしろその制約をビジネスチャンスに転換できる可能性を秘めた魅力的な
資産と言えるでしょう。
適切な活用を選べば、駐車場やオフィス、広告スペース、園芸園など、多様な用途で収益を上げられます。
今回挙げました事例も、三角地の目立つ立地の良さと、低コストでの利用が成功の鍵となっています。
制約の多い三角地でも、発想で魅力的な資産価値を持たせることができます。
立地条件を踏まえ、創意工夫を重ねることが肝心です。法的規制への対応や採算性の検証、環境配慮など
リスクへの対策も考慮する必要があります。
しかし、それらの課題を乗り越えられれば、三角地は素晴らしいビジネスチャンスの源泉となり得ます。
本コラムで取り上げた成功事例を参考に、三角地の可能性を是非検討していただきたいと思います。
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